摘要 : 月状骨窩掌側（volar lunate facet ： VLF)骨片を有す る橈骨遠位端骨折のなかには，掌側ロッキングプレート (palmar locking plate ： PLP)固定を実施した後に，VLF 骨片が近位または尺側へ転位し，さらには手根骨掌側亜 脱臼にいたる症例が存在す... 展开 月状骨窩掌側（volar lunate facet ： VLF)骨片を有す る橈骨遠位端骨折のなかには，掌側ロッキングプレート (palmar locking plate ： PLP)固定を実施した後に，VLF 骨片が近位または尺側へ転位し，さらには手根骨掌側亜 脱臼にいたる症例が存在する.このVLF骨片を含む 関節辺縁部に生じた骨折を治療するため，2019年に筆者 らはDual Loc Radii V3 (メィラ社，名古屋）を開発し た.V3は遠位設置型プレートであるDual Loc Radii V7 (メィラ社）の遠位端に薄いサポートを付けた単軸型の関 節縁プレートになる.本プレートでは最遠位のねじが関 節内へ穿破することを防ぐ目的で，ねじの挿入傾斜角を 3°に減じた.これによつて今まで以上にプレートを遠位 設置することが可能になっただけでなく，プレート? アーム部尺側にも薄いサポートを設けてあるのでVLF 骨片をより広く被覆することができる（図1).本研究で は，VLF骨片を有する橈骨遠位端骨折に対する関節縁プレートV3の治療成績を調査したので報告する. 收起