摘要 : テレオペレーションにおけるバイラテラル制御は，作業を遂行する上で重要な遠隔地の力情報をマスタアームを通してオペレータに提供することができる．しかしながら，対称型や力帰還型といった従来のバイラテラル制御では，ほんのわずかな通信時間遅... 展开 テレオペレーションにおけるバイラテラル制御は，作業を遂行する上で重要な遠隔地の力情報をマスタアームを通してオペレータに提供することができる．しかしながら，対称型や力帰還型といった従来のバイラテラル制御では，ほんのわずかな通信時間遅れが系を不安定にすることはよく知られている．Anderson とSpongは，散乱理論を用いて通信時間遅れの存在下でも安定性が保証されるバイラテラル制御則を提案した．Niemeyer とSlotineは，Andersonらの結果をさらに発展させた．このように時間遅れの問題に対しては理論的に一応の進展を見たが，安定性と操作性は別の問題である点に注意する必要がある．例えば，極端な例として地球から火星までの約30分の時間遅れでも安定なバイラテうル制御システムの構築は理論上可能であるが，1時間経たないと操作結果が操縦者へフィードバツクされないとなるとそれが操作性の面から実用にならないことは明らかである．これまでバイラテラル制御は時間遅れが約1 秒以下の場合には有効であるとされてきた．例えば，Kimらは，「しかしながら，このようなカフィードバックの手法はおよそ0.5秒から1秒までの時間遅れまでしか適用できない．なぜならカフィードバックループの中に大きな時間遅れ要素が入るとシステムを不安定にする原因となるからである（筆者訳）」と述べている．またHirzingerらも「ROTEXでは，一巡の時間遅れは5秒から7秒の間で変動する．コンピュータグラフィックスによる予測表示が，この時間遅れの問題を解決する唯一の方法のように思える（筆者訳）」と記述している． 收起