摘要 : 急性膵炎は急性腹症の代表的疾患で急激な腹痛で発症することが多い。 しかし,高齢者や重症例ではこの腹痛が前面に出ないこともあるので,注意が必要である。 したがって正確な診断には血清膵酵素の測定とCTを主体とする画像診断法はきわめて重要であ... 展开 急性膵炎は急性腹症の代表的疾患で急激な腹痛で発症することが多い。 しかし,高齢者や重症例ではこの腹痛が前面に出ないこともあるので,注意が必要である。 したがって正確な診断には血清膵酵素の測定とCTを主体とする画像診断法はきわめて重要である。 一方,本症は重症例では死亡する率が高いので,できるだけ病早期に重症度を判定し,早急に対処する必要がある.この重症度判定基準は国の内外から多く提案されているが,EBMに基づいたものは日本のもの以外にはないと思われる。 現在日本で使われている臨床症状,臨床検査所見,画像所見の3つで重症度を決定する厚生省難治性膵疾患研究班の重症度判定基準は優れたものであるが,臨床医は成因による病態の差異も考慮し,刻々変わる患者の状態を十分に観察し,全身状態や局所所見をしっかり把握することが大切であり,ただ単に重症度判定基準のみで判定することのないよう慎重さが必要である。 收起