摘要 : 本稿の目的は，国が「デフレ調整」の根拠とした「生活扶助相当CPI」の指数算式をウェイトの観点から再検討することである。「生活扶助相当CPI」の2008年の指数算式は，これまで，Paasche指数あるいはPasche指数と等価となる式であるとされてきた。し... 展开 本稿の目的は，国が「デフレ調整」の根拠とした「生活扶助相当CPI」の指数算式をウェイトの観点から再検討することである。「生活扶助相当CPI」の2008年の指数算式は，これまで，Paasche指数あるいはPasche指数と等価となる式であるとされてきた。しカゝし，その算出過程を詳細に検討すると，「品目」の値が計算に使用されているケースと，複数の品目からなる「類」の値が計算に使用されているケースが混在している。品目の値を用いた集計では，利用されるウェイトは2010年ウェイトのみであるのに対し，類の値を用いた集計では，2005年ウェイトと2010年ウェイトが併用されている。品目によりウェイト参照時点が異なる2008年の生活扶助相当CPIの指数算式は，Paasche指数あるいはPaasche指数と等価となる式には理論的に相当せず，その指数値も異なる。また，異なるウェイト参照時点を含む指数算式は，固定ウェイト指数であるLowe指数にも相当しない。 收起